「中国語が話せなくては、馬賊の頭目にはなれませんよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、『父は満州で密偵を使っていた』とも言っています。」

「中国語ができないのに、密偵が使えるのですか」と町会長。

「父は筆談で、どんなことでも話せる」と言っていました。

「中国人とは、漢字を使って筆談ができるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。父は、結婚式の仲人になったときには、新郎新婦の名前を入れた漢詩をその場で作ることができるほど、漢文を勉強しています。」

「お父さんは、大学で漢文を専攻していたのですか」と町会長。

「父は18歳のとき、満州に渡っているので、恐らく、小学生の高学年の時には、漢文の読み書きができたのではないかと推定しています。」

「小学校では、漢文を教えませんよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。父は、『おじいさんは、頭がよかった』と言っていたので、祖父が手ほどきしたのだと思います。」

「なるほど。漢詩が作れるようなレベルになると、中国人の密偵が使えるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、中国語が話せないと馬賊の頭目になることはできないと思いましたね。」

「なるほど。筆談で、部下に号令をかけることはできませんよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。父は、誰もが認める天才でしたから、中国語が話せないのに馬賊の頭目になろうと考えるのは、おかしな話だと思っていました。」

「なるほど。」

「話は変わりますが、父は、10代のころ、座禅を組んだり、滝に打たれたりして、修行をしています。」

「なぜ、そんな修行をしたのですか」と町会長。

「座禅を組んだり滝に打たれたりして修行をしたのは、自慢だったらしく、何度も話したのですが、なぜ修行をしたかについては話したことがないのです。」

「なるほど。そう言われてみると、目的がないのに、座禅を組んだり、滝に打たれたりして、修行をするのは不思議な話ですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。一番驚いたのは、満州に行く前の2、3年間、毎日、数10キロ走っていることです。」

「マラソンの現役の選手でも、毎日、数10キロ走る人はいないのではありませんか」と町会長。

「おっしゃる通りです。父は、『自宅から立川の学校まで毎日走って行った』と言ったのですが、計算してみると5~60キロはあります。」

「なぜ、そんなに走ったのでしょうか」と町会長。

「それについては、『体がなまってしまうから』と理由を言っています。」

「しかし、『体がなまってしまうから』、毎日、5~60キロ走る人はいませんよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、敗戦になったとき、毎日、立川まで走ったのが役に立ったと言っていました。」

2021/5/17

<筆者の一言>
160グラムの発芽玄米パックを150グラム玄米パックに変えると、100グラムほど体重が減るようになった。そして、毎日縄跳びを30回することを勧めた。当時、東大系はアメリカのビジネスマンのように毎日5キロ走っていた。それに比べれば、毎日縄跳びを30回するのは、短時間でできるし、足首が緩む陽の運動なので効果も高い。

それに加えて、基礎代謝を東洋医学的な方法で上げることを考えた。目や歯、爪は強い陰だが、それ以上に強い陰なのが髪の毛だ。強い陰の髪の毛のために頭皮の可動性が低下し、連動して、全身の皮膚や筋肉の可動性が悪くなっている。その結果、基礎代謝が著しく低下しているのだ。髪の毛を切れば、基礎代謝が上がるに違いないと思った。<続く>

2024/5/2